大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和43(あ)870 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人石川幸吉の上告趣意第一点は、違憲をいうが、累犯加重に関する刑法五六

条、五七条が憲法三九条および一四条の規定に違反するものでなく、また、原判決

が被告人の前科を量刑上参酌したからといつてなんら右憲法の諸規定に違反するも

のでないことは、すでに当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第一二六〇号同年一二

月二一日大法廷判決、刑集三巻一二号二〇六二頁、昭和二四年新(れ)第八八号同

二五年一月二四日第三小法廷判決、刑集四巻一号五四頁、昭和二三年(れ)第四三

五号同年一〇月六日大法廷判決、刑集二巻一一号一二七五頁参照)の趣旨とすると

ころであるから、所論は理由がない。

同第二点は、判例違反をいう点もあるが、引用の判例は、いずれも事案を異にし

て本件に適切でなく、その余の論旨は、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由

にあたらない。なお、原審の是認した第一審判決が、(一)昭和三六年六月一四日

言渡同月二九日確定の懲役四年六月の刑のほか、(二)本件犯行当時被告人に対し

刑の執行中であることが記録上明らかである昭和四一年一月二〇日言渡同月二六日

確定の懲役四年の刑をも被告人の累犯前科として認定判示し、刑法五九条を適用し

たのは、法令の適用を誤つたものというべきであるが、右(一)の前科は累犯とな

るものであるから、第一審判決が同法五六条、五七条を適用したのは結局正当であ

るといわなければならない。そして、刑法五九条は、三犯以上の者でも再犯の例す

なわち同法五七条の例によるべき旨を規定しているのであるから、第一審判決が右

両懲役刑を共に累犯前科として扱い刑法五九条を適用した違法があるからといつて、

これを看過した原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない

(昭和二六年(あ)第三〇六七号同二七年四月一〇日第一小法廷判決、刑集六巻四

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号六五三頁参照)。

同第三点は、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

被告人本人の上告趣意は、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらな

い。

よつて、刑訴法四〇八条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり判決する。

昭和四三年一一月七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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